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[インタビュー]"顧客とともに進化するゲームエンジン作る"

他のコンテンツ製作と同様に、ゲームを作るのにも資本、時間や労力などが要求される。 そして、ゲーム開発者がゲームの製作に使用する道具も必要だ。 一つのソフトウェア(SW)商品とも言えるゲームエンジンがそれで、良い道具が立派な作品を作ることに役立つという点はゲーム業界でも変わらない。

ゲームベースはあまりないゲームエンジン専門開発会社で、今も広く使われる「Gamebryo」エンジンをサービスしている。 この7月、ゲームベースは新しいゲームエンジン「Reach3dx」のCBT(非公開テスト)を実施したが、ゲームエンジンのCBTは業界で初めてのことである。 ゲームベースのユ・ジンホ選任エンジニアからこの異例的な選択の背景とゲームエンジンについて聞いてみた。

ゲームエンジンについて簡単に説明するなら…。

ゲームを作る頭脳と見ることができる。 物理、ネットワーク、レンダリング、アニメーション、サウンドなどに対する個々のエンジンやこのような複数の機能を含む統合エンジンを通称する言葉で、様々な機能を整理して集めておいたものだ。 このような要素を活用して望む方式でカスタマイズしてゲームを製作できるプラットフォームでもありツールだと思えばいい。予め作っておいたSW形式なので、プログラマーの立場ではソースコードライブラリの集合と見られて、また、デザイナーの立場ではプログラマーが呼んで使用することができるように手伝ってくれる道具に見えるそうだ。
C++、ジャバスクリプト(JavaScript)などプログラミング言語を利用して基礎から設計して直接ゲームを作ることもできる。 しかし、そのような方式では規模が膨大になり内容が精巧になるほど、必要な時間と人力が急激に膨れ上がるようになってはるかに多くの費用投資が要求される。 したがって、大抵の場合ゲーム開発会社たちはゲーム製作の際、ゲームエンジンを通じてある程度規格化されていて定められている様々なセットされた機能を呼んできて開発に活用している。
ゲームエンジンでゲーム以外の3Dマルチメディアコンテンツを製作する場合もある。 一例として、スウェーデンのゲームエンジン開発会社がCADで有名なオートデスクに買収されたことがある。 新たな流れの一つのメーカー運動では3Dデータを扱うことができるSWが必要だが、ゲームエンジンはこれに適していると考えることができる。

'Reach3dx'を開発することになったきっかけは。


▲'Reach3dx'エンジンのゲーム開発画面

自社の'Gamebryo'をはじめ、エピック・ゲームズの'アンリアル'、クライテックの'クライ'など様々なゲームエンジンが広く使われているが、モバイルの方に動く時代の流れに沿ってモバイルゲーム開発により適合するエンジンが必要だと感じていた。 ちょうどモバイルゲーム市場で'ユニティ'エンジンが話題となることをみて、これに相応しながらも差別化された新しいコンセプトのゲームエンジンを開発してみたかった。 'ユニティ'が鋳型で'アンリアル'が3Dプリンターなら、'Reach3dx'はカスタムイージング可能な鋳型と3Dプリンターの中間ほどとたとえることができそうだ。
ゲーム開発者たちがより簡単に、より速く、より効率的に、よりスマートにゲームを作ることができるよう手助けすることに重点を置いており、、このような脈絡でより多くのプラットフォームを支援するようにした。
アンドロイド、iOS、タイゼン、フラッシュなどを支援し、特に近年注目されているHTML5の支援にも焦点を合わせた。 'ユニティ'が4.0バージョンまではHTML5をまともに支援していなかったので、これを支援する3Dゲームエンジンがなかったからだ。
現在はRender-Graph基盤レンダリング、シェーダー、物理シミュレーション(Physics Simulation)などを支援しており、将来機能を拡張していき、より完璧な統合エンジンに発展させる計画だ。

'Reach3dx'の特徴として、マルチプラットフォームの支援を挙げたが。

特にHTML5の支援に強みがある。 ウェブで実行できるゲーム製作の際、その自体でゲームが実行されるのではなく、ジャバスクリプトなどへの変換過程を経なければならない。 例えば、'アンリアル'エンジンは基本的にC++になっていて'ユニティ'エンジンの場合C#になっているが、このエンジンで作ったゲームをウェブで実行するには内部的にC++に変換して再びジャバスクリプトに変える過程を経つ。
このようにいくつかの変換過程を経て、製作者の意図どおりにコンパイリングができるかどうかは疑問だ。 また、デバッギングの過程により多くの時間と人員が消耗されることがある。
'Reach3dx'はジャバスクリプトと類似したECMAスクリプト系言語であるHaxeを基盤とし、ターゲットプラットフォームに合わせてC++、ジャバスクリプト、アクションスクリプトなどに自動変換される。 変換過程上の負担なく容易に適用できるのだ。
OpenFL技術を使用してさまざまなプラットフォームで使用できるように作っており、これはHTML5のWebGLの支援を通じてActiveXなど別途のプラグインの設置が必要しない点とともに、ゲーム開発者たちの開発利便性を高めている。
つまり、既存のエンジンはクロスプラットフォーム支援の際、コード再作成やプラグインが必要だったが、'Reach3dx'は一つのコードそのまま適用できて同一の品質を提供する。 ウェブやモバイルなど様々なプラットフォームで動作するゲームを作ろうとする時、プラットフォームによるコードとアセットを最適化するのに多くの努力を注ぐ必要なしに一度に実装でき、変化するプラットフォームのトレンドと多様なグローバル市場の要求にもより柔軟に対処できるのだ。 さらにHaxeはガーベジコレクション、Lamdaと同じ最新の言語が支援する機能を提供、コードの生産性を高めてくれる長所もある。


▲'Reach3dx'で具現された例示画面

一緒に披露した'Gamebryoモバイル'と違う点は…。

'Gamebryoモバイル'は一つのIPにPCゲームとモバイルゲームを一緒に開発する際に有効で、中・大型開発会社が主な顧客だ。 これと違って、'Reach3dx'はPCゲームではなく、モバイルゲームだけを開発しようとするインディや中・小型開発会社をために開発しており、'ユニティ'や'Cocos2dx'が主に使用される市場をターゲットとする。
マーケティングにおいても'Gamebryo'をはじめ、主要ゲームエンジンが採用しているB2Bソースコードの販売方式とは異なり、'Reach3dx'はライブラリSDKを提供する方式になることであり、インターネット決済なども支援する予定だ。
この他にもマルチプラットフォームでポーティングするに当たっては'ユニティ'エンジンがバージョンごとにシート当たり価格があり、'アンリアル'エンジンがプロジェクトベースとしてロイヤルティーを受け取る形だが、'Reach3dx'の場合一人当たりのすべてのプラットフォームを使用できるライセンスを一つの価格で策定、プラットフォームによる追加費用やゲームサービスに応じたロイヤリティー負担が全くない。

ゲームエンジンとしては初めてCBTを行ったが。

後発走者として顧客たちのフィードバックを受けて差別化要素を強化するためだ。 ゲームエンジン市場のニーズは何か、どのように顧客に近づくのか、これを通じてどのような方向に'Reach3dx'を発展させていくかについて、すべての部署が集まって会議を繰り返しながら苦心した末にCBTを行ってみようという決定に至った。
初めて商用化の目標を定めるときは開発部署でもそれぞれの仮想の報道資料を作成してみながら、マーケティングアイディアを出したりもした。 この2月に開催したセミナーの出席者たちをはじめ、計2千人余りの利用者たちを招待し、先着順200人に電子メールでHTML5バージョンを供給し、サンプルゲームソース、テュートリアル、リファレンスは誰でもアクセスが可能になるようにウェブサイトに公開した。
今回のCBTを通じて顧客のフィードバックによって機能的な部分を強化するか支援プラットフォームを拡大するか発展方向を設定して固有の色を構築しようとする。リーン・スタートアップ方式でアプローチして市場の反応に従ってビジネスモデルを合わせて行こうとし、今後も毎四半期ごとにメジャーアップデートを実施する計画だ。
少なくとも四半期単位では市場のニーズに合わせて変化しいく予定で、これを通じて差別化していく方針だ。 ドキュメントとテュートリアルのアップデートも重要に考えており、CBT参加者たちが提案するコードや機能があればこれを反映することまで悩んでいる。
何より独自のコミュニティ活性化に気にしようとしている。 CBT評価版を体験してみてコミュニティのフォーラムに意見を残してくれれば、積極的に反映するようにする。  


▲ゲームベースが過ぎた2月に開催したゲームエンジンソリューションセミナー

ゲームエンジン市場は今後どのように流れるのと考えるか。

この'GDC 2014'でエピックゲームズが'アンリアル'エンジンの月賃貸政策を看板に掲げると、翌日の向かい側のクライテックでも'クライ'エンジンの月賃貸政策を価格まで同様に掲げたことがあった。 このようなマーケティングの対象は活性化されている1人の開発者及び中・小型開発会社で、使用者確保のための競争を通じて進入障壁が崩れている成り行きだ。それほどこれからは汎用性と利便性がますます重要になるだろうと見ている。 機能的な部分はDirect3DやOpenGLなどの技術発展による面が大きく、エンジン自体の性能はすでに最大限引き出しているという評価が多い。 グローバル市場でも結局、差別化がギだというのが業界の衆論だ。
アジアで韓国と中国を中心にモバイル市場が急成長し、3年連続強気を見せているのに対して、今まで北米や欧州市場ではコンソール市場が主になっておりモバイル市場は初歩の段階に近い。将来、全世界的にモバイルが主流になるだろうと予想しているために、アジア市場で成功すれば、全般的なグローバル市場攻略も十分可能だと思う。 規模の大きい日本や中国市場でも軽くてHTML5に最適化されたエンジンを求める需要が確かに存在すると予想している。
韓国の場合、モバイルゲーム市場が活性化されていて、モバイルゲームの主要ジャンルもmid-coreと移っていく傾向だ。 ゲーム開発プロジェクトチームは数えきれないほど多いが、成功する割合は1%水準で、こんなに成功率が低いのにはマーケティング不足も理由の一つになることができる。
テンセントなどグローバル企業の投資を通じて最近モバイルゲームもゲーム当たり数億ウォンのマーケティング費用が使うと知っているが、これに対してインディーズ開発者がマーケティングに使える資金がどれほどいるか。
プラットフォームの手数料問題などから始まっているモバイルゲーム市場の悪循環に対する反作用によっていつかは韓国にオンラインゲームの時代が再来することもあると見ている。

韓国産のゲームエンジンとして意義を置くなら。

ゲームベースが韓国で滅多にないゲームエンジン専門開発会社ではあるが、これをマーケティング的な側面で活用するとは思わない。 ややもすれば会社の競争力を落としかねないと見ているからであり、グローバル市場で競争し、冷酷に判断されて発展していきたい。 結局は、グローバル市場で成功をしなければならず、国籍に関係なく良い人材が必要なので採用公告も英語で上げて海外開発者も採用しようとしている。 韓国で外国のSW人材を連れてきてきちんと活用できないことは言語と文化の面が大きいと見ているが、我々はこれを打破していると自負する。
'Reach3dx'はリーンやアジャイル方式で開発しており、開発者が開発に専念することができて意見を十分に収斂できる先進化された開発プロセスを作って行こうとする。
韓国で開発されたゲームエンジンがグローバル市場で成功した時の肯定的な効果はまず、該当分野SW人材たちの職場が増えるという点を挙げることができる。 現在、韓国で1年間約500億ウォンのゲームエンジン使用料が海外へ出ていると知っているが、これを減らすことができる面もあるだろう。
過去の政府が国策事業として約100億ウォンを使ってETRI(韓国電子通信研究院)で'Dream3D'というゲームエンジンを開発したりもしたが、当該エンジンは市場で葬られた。 ゲームエンジンの開発に政府側から支援を受けてみたことはなく、持続的に接触を試みてはいる。

ゲームベースの今後の計画は。

'Reach3dx'は、四半期ごとにアップデートを通じて持続的にフィードバックを反映する方針で、どのように変化していくかは予想することが難しい。
CBTの結果によって、できるだけ3四半期に商用化を目標としているが、反応によって弾力的に日程を調整することもできる。 エンジニアたちはより完璧なゲームエンジンを出したいためにOBTまで開く可能性もあり、実際にゲームを開発してサービスする計画はないが、顧客たちに見せられる例題ぐらいは製作してみるつもりだ。
マルチプラットフォーム部分でコンソール支援も考慮中で、いつでも需要があったらすぐに支援する用意の可能性もある。 サービスしながら、不足な部分は市場の反応に合わせて埋めていく。
小規模開発者たちがマルチプラットフォームで開発する際に1次的に試みる程度のエンジンになったら良いし、このエンジンを通じて成功的なゲームを作ることができるのを希望しており、顧客の成功が自社の発展にも繋がるのをほしい。 さらに、ゲームエンジンとしての役割を越え、3Dコンテンツを製作することにも有用なツールに位置してほしい。
この'GDC 2014'で発表した時も反応が良かった。 初の攻略対象はアジア市場になりそうだ。

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資料出所::IT DAILY(http://www.itdaily.kr)
Gamebaseで内容を翻訳及び編集しました。
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http://www.itdaily.kr/news/articleView.html?idxno=54370